DSSF3 > RA > リファレンス > シグナルジェネレータ


ノイズ
『ノイズ』設定項目の説明

項目 選択項目 説明
種類 ホワイトノイズ 1Hz当たりのエネルギーが一定で、高い音も低い音も一定のエネルギー成分をもちます。FFTアナライザのパワースペクトルでフラットに表示されます。ホワイトノイズは高域ではツイーターなどに対してパワーが強すぎるため、使用は気をつけてください。
ピンクノイズ オクターブ当たりのエネルギーが一定で、高い周波数ほどエネルギー成分が小さくなります。FFTアナライザのオクターブバンド分析でフラットに表示されます。周波数特性の測定には主にピンクノイズを使用してください。
ブラウンノイズ 1Hz当たりのエネルギーが周波数の2乗に比例して低下します。1オクターブあたりでは3dBの割合でエネルギーが低下します。
モード モノラル 左右同一の波形の信号を出力します。ピンクノイズのモノラルは位相計の試験信号として使用すると左右両チャネルの全周波数の位相が即時測定できます。たとえばシグナルジェネレーターと、位相計を内部直結で測定すると、位相計でフラットに表示されます。
左右独立 左右独立(無相関)の波形の信号を出力します。
逆相 左右逆相の波形の信号を出力します。
時間差(L-R) トーンの場合の位相差と同様、左右のチャンネル間で出力信号の時間差を指定します。[最大レンジ]でスライダーの設定可能な範囲を選択することができます。

ノイズ信号

ノイズ、雑音系の信号には、ブラウンノイズが追加されました。これはピンクノイズにゆらぎが加わっています。これはスペクトラムアナライザーでも、高域につれて、減衰する、右下がりの角度でも、確認できますし、リアルタイム自己相関表示するとゆらぎが動画表示されます。

左右信号の遅れ時間がmsecで設定できるようになっています。左右の遅れ時間差を指定することにより補正や、意図的に遅延を作ることが可能です。たとえばこれを使用して遅延時間を0.1msecにします。ピンクノイズをモノラルで、出力して、1/10000秒の遅れ時間の音を聞きます、その後[0]のボタンを押して遅れ時間0にします。音が違って聞こえるのが、非常に簡単に実験できます。これは人間の脳が、鋭敏な感覚を持っているからです。まぜならその能力を使用して、音から音を立てる物体の位置や、移動の方向や量をを耳で感じるからです。それがないと、10メートル離れたところの、3センチ離れた物体のどちらが、どちらの右かがわからないからです。この実験から、脳が聴覚に関しては、左右の時間差で、0.1msecを知覚できるのは明確に想像できる(ドンデイビス著 サウンドシステムエンジニアリング)とされてきました。これは現代では、DSSF3により、簡単に調べられますが、聴覚が脳が敏感なために音質を重視する場合には、タイムアライメントが重要です。

モードについては、実際に信号を位相計で、同時測定すれば、どういう信号か、視覚的に理解できます。モードとしてはモノラル、左右独立、逆位相が指定できます。

シグナルジェネレーターの正弦波や、方形波などのトーン信号出力は、周波数を変化させるため、位相角を指定します。その点ピンクノイズイなどの全周波数を出力するノイズ出力は、遅延時間を指定します。それぞれその使い勝手を考えて設定されています。ピンクノイズと、位相計を使用して、信号の遅延時間測定できます。この例は0.1msecの遅延時間でピンクノイズを出し、FFTアナライザの位相計で、測定します。


位相計

上記の設定の場合、位相計の表示は以下のように表示されます。位相計では、スペクトラムアナライザーが周波数ごとの音圧レベルを表示するのに対して、位相角度を表示するものです。

音は波のために、音圧レベル(振幅)だけでは、周波数特性を現せません。その周波数のときの位相(波の位置)が重要です。位相遅れが無ければ、音圧レベルは合計されますが、位相遅れがあると単純には合計されません。波の山が90度、谷が-90度ですから、波の山と、谷を合計する場合は打ち消しあい、山と山の場合は合計になります。同じ位相のものを合計すると、6dB音圧レベルが増えますが、逆位相のものを足しても増えません。

そのため位相あわせで、6dBもの調整ができることになります。6dBがいかに大きいかは、エネルギー2倍で、測定例としてシンセサイザー機能を読んでいただければ、解りやすいと思います。下の位相計は2CHの時間差が1msのときには、X軸の周波数ごとの位相角を表しています。もしこの座席が、左右の時間差1msの時間遅延を持った場所であるならば、周波数1kHzの音は左信号に比較して右信号は360度進んで到着します。位相計を使用して進み時間を知るには0.1msecのときは、360度が10KHzで、1msecのときは360度が1KHzで、この表示グラフの波形のX軸の幅で、計算できます。

1波長以上、時間差があると、ひとつの信号ではなく、二つの信号のように別々に音線がくる感じがします。位相の違いは設置場所、聴取場所、距離のみではなく、電気的遅延や、スピーカーなどの動作的原因も含まれます。スピーカーはもちろん、音響システムのトータルな周波数応答を測定して、時間遅延システムのリアルタイムな調整や、再生装置などの最適な場所、調整に使用します。

DSSF3 > RA > リファレンス > シグナルジェネレータ